【韓国版ウマ娘】大炎上の末、リアル馬車が出走!

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日本でも一大ブームを巻き起こした人気ゲームアプリ、ウマ娘が韓国で炎上しています。
韓国でのサービス開始以降、SNS上でじわじわと不満の声が増えはじめ、先日ついに、運営に不満を持ったユーザー達によるデモにまで発展しました。
最終的に、馬車が出動するという、斜め上の事態となった今回の騒動について、その経緯や原因を、考察を交えつつ解説していきたいと思います。

当ブログでは、ユーザーとして30年以上、製作者として15年以上、ゲームに携わってきた筆者が、ユーザーと製作者、双方の視点で、ゲームに関するニュースや雑学、関連技術について発信をしています。

ウマ娘とは

もはや説明不要かもしれませんが、ウマ娘とは、サイゲームスが主体となって提供しているメディアミックスプロジェクトで、ゲーム、アニメ、音楽CD、ライブ、コミック等を展開しています。
2018年にアニメ1期が放送され、ゲームアプリも、2018年にリリースが予定されていましたが、その年の年末にリリース延期の発表があり、約3年後の2021年3月に、日本でリリースされました。

その後、ゲームは大ヒットし、リリースから1ヶ月間の売上はなんと、140億円以上と言われています。これは当時、最速で100億円の売上に達した原神を上回るペースで、同年4月の月間売上では、長らくトップに君臨していたモンストやFGOを抑えて国内1位となり、さらには世界の売上ランキングでも、原神を抑えて3位となっています。
ここで注目すべきは、他の上位アプリが世界中にリリースしているのに対して、ウマ娘は日本だけの売上でこの順位という点です。

海外版について

2022年2月に台湾、マカオ、香港で、同年6月には韓国でもリリースされました。
なお、英語圏と中国本土での配信は、まだ行われていません。
台湾、マカオ、香港でのパブリッシングは、KOMOEゲームスが行っており、同社はFGOやシノアリスのパブリッシャーでもあります。
韓国でのパブリッシングは、Kakaoゲームスが行っており、同社は、ウマ娘の他にも、サイゲームスが開発している、プリンセスコネクトのパブリッシャーでもあります。

韓国での評価

リリース直後、1日の売上が150億ウォン、約15億6千万円を記録するほどの大ヒットとなりました。
これは、韓国の歴史上で、2番目に高い売上で、さらに同国で、MMORPG以外のジャンルで、これだけの売上が出るのは非常に珍しいそうです。

こうして、売上だけみると大成功しているように感じるのですが
一方で、ゲーム運営に対する様々な不満もSNS上で散見されました。
主だったところだと

1、翻訳が不十分。
2、無料石の配布が日本に比べて少ない。
3、人気サポートカードの入手難易度が日本より高い。
4、イベント告知が遅く、告知以外での情報発信がない。

などです。
この中でも特に、4の、イベント告知が遅かったことに対する不満が大きかったようで、今回のデモの引き金になったのでは、とも言われています。

イベント告知が遅い程度で、そんなに怒るものか?と疑問に思うかもしれませんが、
このイベントというのが、ウマ娘における、エンドコンテンツであり、他プレイヤーが育てたウマ娘とレースで競わせる、というものでした。
そのため、ユーザーは告知内容を見て、イベントに向けた育成をするのですが、育成にはかなりの時間がかかります。そのため、日本では、イベント開始の数週間前に内容が告知されていました。
これに対して、今回、韓国では、イベント開始の3日前に告知がされたため、さすがに育成が間に合わない、と熱心なユーザー達が怒ったわけです。
これに関しては、ユーザーが怒るのも、もっともな話かと思います。

デモと抗議内容

運営に不満を持ったユーザー達は、GooglePlayのレビューに低評価をつけることで、抗議の意志を示しました。これにより、評価は5段階中、最低の1にまで下がっています。

これは地味ですが、企業にとっては痛手で、評価が低いアプリは、ストアページからのダウンロード率が目に見えて下がりますし、なによりも、ストア上の目立つ位置にバナーを掲載してもらう等、Googleからの広告支援を受けるには、評価が4以上必要なためです。

さらに、一部のユーザーが、kakaoゲームスの本社周辺に、本物の馬車を走らせるとう斬新な手段で、抗議デモを行いました。
これを受けて、kakaoゲームスは謝罪と共に、本社へユーザーを招いて、懇談会を実施すると発表しています。
なお、韓国では、ユーザーと運営の間でトラブルが発生した際に、懇談会が設定されることがしばしばあるようで、過去にもメイプルストーリーの運営とユーザーが、9時間にも及ぶ懇談会を実施したことがあります。

ちなみに、今回の懇談会で、ユーザー側は、以下の7点をKakaoゲームスに要求するようです。
1、運営責任者の謝罪。
2、ユーザーとの継続的な意思疎通窓口の設置。
3、翻訳漏れへの対応。
4、社内の体制、業務過程の公開。
5、生放送等のメディア配信の実施。
6、運営チームの全面交代。
7、今後の告知には作成者の役職と氏名を明記。

さらには、今回の問題が解決しない場合は、デモの対象をサイゲームスに変え、韓国版をサイゲームスが直接運営するように要求するとのことです。
中々過激な内容ですね。

今回の問題が起きた原因

では、なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。
原因はいくつか考えられます。

ひとつめは、パブリッシャーのウマ娘に対する知識が浅かったことが考えられます。
自分たちで開発、運営をしている場合は、こういったことは起きにくいのですが、他国からタイトルを仕入れて、ローカライズ運営するような場合、タイトルに対する愛着が沸かず、作業が事務的になることがあります。
結果、イベントの内容や性質を考慮せず、他の告知同様に、数日前に出せば良い、と、機械的に処理された可能性があります。

ふたつめは、ローカライズ作業に時間がかかり、イベント内容の把握や、告知の作成が遅れてしまったことが考えられます。
ローカライズ作業は通常、複数回の翻訳工程を経た後に、現地運営が内容を把握して、そこから各種イベント用データの設定や、告知の作成に着手するのですが、ウマ娘のようにテキスト量が膨大な場合、この工程に時間がかかった可能性は十分に考えられます。
結果、内容を把握して、告知を作成する頃には、すでにイベント公開の数日前だったのでは、と。
ユーザーの不満点にもあった、翻訳漏れや誤植が多いというのも、翻訳するテキスト量の多さに起因するものかもしれません。

まとめ

今回の炎上は、結局のところ、韓国版と日本版の内容に違いが有り、日本版のほうが様々な点で優遇されている、と、ユーザーが感じたことが発端になっています。

確かに、イベント告知が遅かったことについては、ユーザーの言い分も分かるのですが、一方で、その他の部分については、実際のところ、日本版の方が優遇されているのでしょうか?

まず前提として、日本版は1年半位上前にリリースされており、ゲームの内容もその分進んでいます。なので、今回不満がでた、「無料石の配布量が日本より少ない」、「キタサンブラックが日本版より入手し難い」、という点について言えば、1年半前の日本版のサービス開始当初と比較したら、大きな差はないか、むしろ韓国版のほうが優遇されている可能性すらあります。

1年半長く運営している分、ゲーム内容だけでなく、ユーザーの進行状況や成熟度合い、持っている資産状況も異なるわけですから、リリースから間もない韓国版で、現状の日本版と同じ供給量にしてしまったら、バランスを壊しかねないですし、今度は逆に、日本版のユーザーから、「自分たちはあれだけ苦労したのに、韓国版ではバラ撒くのか」、と不満がでるリスクもあります。

実は、こういった配信国毎の違いによる問題は、他のゲームでも度々ありましたが、ここまで大きな騒動に発展したのはウマ娘が初めてではないでしょうか。
それだけ、ユーザーの熱量が高い、愛されているコンテンツなのだと思います。

今回は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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